自己破産の概要と流れについて

自己破産とは裁判所に申し立てを行うことで借金の支払いが免除されるものです。借金返済額の減額ではなく全て帳消しになるというメリットがありますが、資産を全て処分されるなどのデメリットもあります。自己破産の概要と流れについて紹介します。

自己破産とは

自己破産とは財産や収入が見込めず借金支払不能の状態であることを裁判所に認めてもらうことで支払い義務が免除(免責)される手続きです。自己破産が認められれば債務返済の義務がなくなるため収入を全て生活費に充てることが可能です。

自己破産するには裁判所に支払不能であると認められる必要があるほか、過去7年以内に免責を受けていないことも条件となります。資産、債務額などの状況により、同時廃止、少額管財の2種類の手続きがあります。

同時廃止と少額管財の違い

同時廃止は財産がなく申立内容が明瞭である場合に破産手続き開始と同時に廃止できる手続きです。管財は、時価20万円以上の財産がある、申立内容が不明瞭で財産調査が必要である、ギャンブルなどの借入により免責不許可事由に該当する、などの場合に処理が必要となる手続きです。個人の破産では管財よりも費用が安くなる少額管財として処理されます。

自己破産のメリット

自己破産の最大のメリットはほとんど全ての借金の返済義務がなくなることです。債務額合計の上限額もないので多額の借金を帳消しにすることも可能です。手続きを開始すれば債権者から強制執行される心配もありません。

自己破産が開始決定されればその時点で銀行口座や給与の差し押さえもなくなり、その後に新しく得た財産は自由に処分することもできます。生活必需品や価値が認められない財産は手元に残したまま生活を継続することも可能です。

自己破産にはデメリットも

自己破産すると所有財産は借金返済のため換価して時価20万円以上の財産は全て処分されます。また、自己破産後7~10年程度はブラックリストに登録されることから新たな借入も困難です。さらに、自己破産手続きが開始されて免責が確定されるまでの期間は、職業や資格の制限が強いられるため失職の可能性もあります。

自己破産手続きの流れ

自己破産手続きを法律事務所に依頼した場合は、弁護士が貸金業者への受任通知、利息制限法に則った引き直し計算などを行ったうえで申立て書類の準備を行います。申立書類の作成においては下書きや必要書類の収集を依頼人本人が行う必要があります。

裁判所の申立では裁判官と面接しなければなりませんが、弁護士が出席すれば依頼者が出頭する必要はありません。しかし、依頼者本人が出頭、出席しなければならない場合もあるため事前準備も必要となります。

自己破産手続きは複雑

自己破産手続きは同時廃止と少額管財で手続き内容が若干異なります。破産開始手続き開始となる期日が異なるほか、同時廃止では免責審尋期日、少額管財では破産管財人が決定されて免責許可決定が確定されることになります。少額管財の手続きは特に複雑であるうえに、管財人面接や債権者集会などに依頼者自身の出席が必要です。

まとめ

自己破産手続きは多額の借金を帳消しにすることができる債務整理ですがメリットだけでなくデメリットも理解しておく必要があります。債務整理問題の経験が豊富な当事務所に相談いただければ懇切丁寧な提案、サポートを通してスムーズに問題解決に当たることが可能です。